【船旅】韓国・南海高速/アリオンチェジュ (鹿洞→済州) 乗船記/航海編

■0339・2023年5月15日~19日.4泊5日-6

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阪神-沖縄航路で活躍したマルエーフェリー/琉球エキスプレス。
引退後、韓国済州航路で活躍していると聞きつけ、乗船してきました。
本記事は、南海高速/アリオンチェジュ(鹿洞-済州)の乗船記/航海編です。

※記事中[拡大]または◎を記している画像は、クリック・ドラッグすると拡大します。
※記事中の価格等は、2023年5月現在のものです。
※レートは2023年5月15日現在.100円=₩983-で表記しております。

ここは、韓国南部の全羅南道高興郡、鹿洞です。
フェリーに乗ろうと、鹿洞新港旅客船ターミナルにやって来ました。

[拡大] 出典・OpenStreetMap

さて、韓国全羅南道高興郡鹿洞ってどこでしょう?
はい、仁川国際空港から南へ約480km!
韓国南部の端っこにある、小さな港町なんです。

鹿洞新港旅客船ターミナルの場所は、☝コチラ。

[拡大]

=ターミナル見取り図=
1階に乗船券販売窓口・売店・待合室(イベントホール)・トイレがあります。
2階は海運会社事務所。
食堂はないみたい。

=待合室=
ステージがあってイベントホールとしての機能もある待合室です。

=売店=
小さなコンビニです。

=旅客船航路図=
鹿洞新港からは、巨文島・済州島航路の旅客船が発着しています。

鹿洞-巨文島航路

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=鹿洞-巨文島航路=
高速船(所要1時間20分)とカーフェリー(所要2時間50分)があり、平和海運㈱と言う海運会社が運航しています。

・高速船→鹿洞新港出航(平日)8:30 (週末/盛需期)8:30・13:20
巨文島出航(平日)16:00 (週末/盛需期)11:40・16:00
・カーフェリー→鹿洞新港出航(平日)8:00 (週末/盛需期)8:00
巨文島出航(平日)13:00 (週末/盛需期)13:00
                            ~とありますね。

巨文島航路に就航するカーフェリー、平和フェリー11号。
韓国の短距離航路は、この形のフェリーが主流なのです。

鹿洞-済州航路

=鹿洞-済州航路=
南海高速/アリオンチェジュ号(所要3時間40分)が就航。

・鹿洞9:00・済州16:30出航。
南海高速(韓国語)。

=乗船券販売窓口=
外国人が乗船券を購入する場合、パスポートの提示を求められます。
予約しないで来ましたが、乗れるかな?

拙い韓国語で乗船券買えました。
クレジットカード使えましたよ。

・乗船券(鹿洞→済州) 3等₩32,500-(3,310円)

[拡大] 出典・南海高速株式会社

南海高速/鹿洞-済州の運賃は、☝コチラ。
2024年1月の運賃で筆者が乗船した時より若干異なります。

=南海高速/アリオン済州=
日本の宮城県石巻にある造船所/ヤマニシで、2003年に建造された貨客フェリーです。
2017年から韓国/鹿洞-済州航路に就航しました。

実はこの船‥

阪神-奄美-沖縄航路に就航していた、マルエーフェリー/琉球エキスプレス(6,266t)なのです。

阪神と奄美/沖縄を結ぶ定期航路就航船として2003年から活躍してきましたが、船舶の老朽化と同航路の旅客事業撤退に伴い2017年10月に引退。
韓国に売船され、アリオンチェジュと改名されました。

では、乗船しましょう。

沖縄奄美群島に就航する船舶は、港湾事情を察して船体にへばりつく階段とギャングウェイ(旅客乗降タラップ)があったのが特徴でした。
ギャングウェイは撤去されましたが、船体にへばりつく階段は健在です。

出航10分前‥
出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しようと、甲板に出ました。

9:05
あれっ?
出航時刻を過ぎていますが、ラインマンの姿がなく出航する様子がまったくありません。
濃霧で出航できないみたい。

※ラインマンとは?
船の接岸.離岸時に、ホーサー(係留用ロープ)をビット(係留用鉄杭)にかけたり、そこから放したりするサポート業務(綱取り放し作業)に携わる人のことを言います。

11:00
出航予定時刻から2時間が経過。
まだ鹿洞新港に着岸中。

おっ!
右舷側は霧が晴れてきましたよ。

そろそろ出航するのかな?
~と思ったのですが‥

左舷側はご覧の通り‥
視界ゼロです。

いつになったら出航するのだろう?

11:30
ラインマンの方々が出てきました。
そろそろかな?

あっ!
タラップが外されました。

知らぬ間にホーサーがビットから外されまして‥

11:40
ゴゴゴゴォー

2時間40分遅れで出航しました。

後進で離岸成功。
パチパチパチ‥

沖合で船体を180度、回頭します。

鹿洞の対岸、小鹿島(ソロクド)です。

実はこの小鹿島、悲しい歴史を秘めた島でありまして‥
日本が統治していた1916年、日本の朝鮮総督府によってハンセン病患者の隔離施設/小鹿島慈恵医院が設立され、患者への差別的隔離政策が行われ、ハンセン病の島としての歴史を抱いています。

鹿洞よ。
さらばじゃ。

[拡大] 出典・OpenStreetMap

鹿洞→済州/3時間40分の航海が始まりました。

前方に居金大橋を眺めながら航行。
これから、前方に見える橋の下を航行しますよ。

=居金大橋=
居金島と小鹿島をつな延長1,116mの斜張橋。
2011年12月に開通しました。

おぉー
こりゃ圧巻!

橋の真下を通過。
これぞ船旅の醍醐味。

居金大橋は二層式となっており、上階は自動車道・下層は歩道となっています。

[拡大]

居金大橋は接続する橋梁部を含めると総延長2,028kmの長大橋です。
パノラマモードでカシャ!

霧がなくなりました。
凪で動揺なく快適な船旅です。

韓国南部は島が多く、まるで瀬戸内海みたい。

済州到着時刻が確定。
定刻12:40着が15:40着となりました。

ありゃりゃ。
またまた霧に包まれてしまいましたね。

お腹すきましたね。
船内の軽食コーナーで昼食にしましょう。

コムタンとは、牛肉や内臓を使ったさっぱり風味のスープです。
■コムタン定食‥₩9,000- (917円)
①コムタン
②白菜キムチ
③野菜ナムル
④オモク(練り物)
⑤人参キムチ
⑥米飯

ビールを飲もう。
かっぱえびせんの韓国版菓子、セウカンと頂きまーす。

■カスビール‥₩4,000- (408円)
■セウカン‥₩2,500- (255円)

韓国の海にゴンベ!(かんぱーい)

さて、船室でのんびり昼寝と言いたいのですが‥
今日は大口の学生団体様が乗船されておりまして、一般船客の船室はここだけ。
船内は混雑しています。

てな訳で‥
ここが筆者の居場所となりました。(笑)

再び霧が晴れました。
韓国本土は靄の中で見えないです。

おっ!
済州島が見えて来ましたよ。

錨泊中のフェリーを発見!

済州-兜島航路に就航する、韓一高速/ブルーパールですね。
どこかで見たことがある船だな‥

真相は後程わかりますよ。

=済州島=
韓国の最南端に位置し、同国で最大面積を持つ島です。
東シナ海・黄海・東海(日本海)の間にある火山島で、日本九州の長崎から180kmほどしか離れていないのだとか。

ズームすると‥
島の中心に聳える韓国最高峰/漢拏山(標高1,950m)が見えますよ。

済州港に入港。

あっ!
あの船は‥

ズームしてみましょう。
我が国日本を代表する豪華クルーズ客船、郵船クルーズ/飛鳥Ⅱですぞ。

博多発着済州島往復2泊3日のショートクルーズで寄港中。
気になる代金を調べてみると‥
一番安いKステート 128,500円。
最上級船室となるS.ロイヤルスイート 607.000円!

はあぁ~
筆者の経済力では無理だ。

済州港には韓国各地へのフェリーが着岸中。

済州-木浦航路に就航する、シーワールド高速フェリー/クイーンメリー2
同航路を僚船/クイーンジェヌヴィアと共に所要4時間30分で運航中。

実はこの船‥

この船、大阪-新門司航路に就航していた、名門大洋フェリー/フェリーふくおかⅡ(9,731t)です。

三菱重工業下関造船所で建造され2002年10月18日に就航。
新造船/フェリーふくおかの就航に伴い2022年3月27日をもって引退。
韓国に売船されクイーンメリー2と改名されました。

済州-麗水航路に就航する、韓一高速/ゴールドステラ(※21,989t)。
韓国の大鮮造船で2020年に建造されたフェリーです。

※トン数は国際総数トンとなり、日本における船舶の大きさを表すために用いられる指標と異なります。

着岸地点が近づいてきました。
済州港第2埠頭に着岸するようです。

済州港第2埠頭右側に高速船が着岸していますね。

済州-珍島航路に就航する、シーワールド高速フェリー/サンタモニカ(3,498t)。
オーストラリア.インキャット社で2022年4月に竣工されたウェーブピアサー カタマラン(波浪貫通型双胴船)タイプの高速カーフェリーです。

同航路を直行便だと所要1時間30分で運航中。

回頭して後進で着岸態勢に入りました。

あぁ~
楽しい船旅が終わっちゃうよ~

ホーサーがビットにつながれました。

・ホーサー‥係留用ロープ
・ビット‥係留用鉄杭

15:43
着岸完了。
パチパチパチ‥

定刻12:40着より3時間3分遅れで到着です。

あっ!
あの船は‥

ズームしてみましょう。
韓一高速/ブルーパール(済州-兜島)が入港して来ましたよ。

実はこの船‥

日本の大阪-新門司航路に就航していた、名門大洋フェリー/フェリーきょうとⅡ(9,731t)なのです。

三菱重工業下関造船所で建造され2002年9月3日に就航。
新造船/フェリーきょうとの就航に伴い2022年1月14日をもって引退。
韓国に売船され、ブルーパールと改名されました。

※2024年1月現在、ブルーパールは韓国済州航路での運用を終え、フィリピンへ売船されたようです。

15:57
では、下船しましょう。

済州島に上陸しました。

アリオンチェジュ号の船内レポートは、☝コチラ。

かつて日本の阪神-沖縄航路に就航していたマルエーフェリー/琉球エキスプレスが引退後に韓国済州航路に就航したとの情報を聞きつけ、乗ってみました。
韓国のフェリーと言ったら、セウォル号沈没事故が記憶に新しいところですが、事故から数年が経過したこともあってか、学生団体で船内は大賑わい!
濃霧で3時間ほど遅延しましたが、揺れもなく楽しい船旅になりました。

ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。