【歩旅】国道120号線旧道 椎坂峠を歩いてみたよ (群馬県沼田市 旧白沢/利根村)

■0208・2022年9月26-27日.群馬県老神温泉1泊2日-1

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群馬県利根地域と栃木県日光をつなぐ国道120号線の椎坂峠。
尾瀬へのメインルートとしてかつては多くの車が往来した峠でしたが、今はトンネルの開通によって車の往来はなくなりひっそりとしています。
そこで、静かになった峠を歩いてみることにしました。

※記事中[拡大]または◎を記している画像は、クリック・ドラッグすると拡大します。

群馬県沼田市と栃木県日光市を結ぶ全長96.3kmの国道120号線。
利根沼田地域の生活・産業や片品・尾瀬・日光方面を結ぶ観光ルートとして重要な幹線道路で、沼田から尾瀬に向かう途中に椎坂峠と言う峠がありました。
カーブが多く大雨が降ると通行止になり、冬は積雪によって走行を拒まれることもあり、ドライバーにとって難所だった峠です。

さて、尾瀬に向かう時は嫌でも通った峠ですが、今はトンネルが開通したことによって峠越えをする必要がなくなりました。
そこで旧道を歩く旅、第1段!←(ホントにシリーズ化するのか?)
今回は旧道.椎坂峠を越え、吹割の滝へ11.3kmを歩いてみました。

上野東京ラインと上越線普通列車を乗り継いで‥

🚋普通1822E.前橋行
川崎.6:01→高崎.8:17

🚋普通727M.水上行
高崎.8:23→沼田.9:13

群馬県の沼田駅で下車。

沼田駅から関越交通尾瀬方面行きの路線バスに乗ります。

🚌関越交通:鎌田線.大清水行
沼田駅前.9:20→観音寺前.9:47

関越交通はICカード利用可能です。

以前、関越交通には3,000円で購入すると4,250円ぶん使えるお得な尾瀬カードがあったのですが、ICカード導入により尾瀬カードは廃止。
ICカードは割引がないので、お得感ゼロになってしまいました。

途中でお客さんゼロとなり貸切です。
交通公共機関のご利用をお願い申しあげます。

沼田駅から27分。
観音寺前で下車。

=カフェ&グリル フレディ=
地場産の野菜とフルーツをふんだんに使った料理と手作りケーキのカフェ&レストラン。
観音寺前バス停から尾瀬方面へスグの場所にあります。

まだ、開店前でした。

フレディーの位置は、☝コチラ。

ここは、国道120号線です。
沼田から尾瀬/奥日光方面へ向かう場合‥
以前はこの地点から峠道となり、椎坂峠を越えなくてはなりませんでした。

トンネル手前に峠越えの旧道があります。

昭和39年に開通した椎坂峠は山道特有の急カーブや急坂が連続し、連続降雨量120ミリ以上になると通行止となり、冬期は積雪や凍結もあって交通の難所となっていた道路です。

こちらは、椎坂白沢トンネルの沼田側開口部。

峠道の直下を貫く椎坂白沢トンネル・椎坂利根トンネルから構成される椎坂バイパスが開通。
難所だった峠越え区間をトンネルで抜けられるようになりました。

[拡大] 出典・片品村観光協会

椎坂バイパスが開通したことによって、急峻な山道や雪が積もる峠道を走らなくてよくなりました。

[拡大]

旧道はバイパスが共用された後も廃道にならず、今も通行可能です。
では、歩いてみましょう。

一帯はクマ生息地帯です。
旧道になってから車や人は皆無と予想されるので、熊鈴を鳴らしながら歩きます。

35のカーブが続く椎坂峠。
各カーブには番号がふられています。

峠の途中にある養蜂場。
以前はたくさんの巣箱が並んでいたのですが、今はひとつだけですね。

2車線ですが、路肩がなく急なカーブが続くため、大型車で走るのは運転に神経を使いました。
今はご覧の通り、車1台も走っていません。

見た目は緩やかに見えますが、結構傾斜のある坂道。
バスだと、ディーゼルエンジンをぶん回して煙をモクモクさせながら登ったものです。

ややっ!
道の真ん中に熊の糞らしきモノを発見!

まだ新しいので、奴が近くにいるかもしれない。
警戒しなくては‥

あっ!
なにかいるぞ。

ズームしてみると‥
キジですね。

栗が落ちていたよ。
暑いけど、もう秋だね。

望郷の詩 碑入口。
こんなところに何かの碑が‥
車だとわかりませんね。
ちょっと行ってみましょう。

望郷の詩人。
おのちゅうこう文学碑がありました。

なんでも、おのちゅうこうは群馬県白沢村(現沼田市)の児童文学作家/詩人なんだとか。
この文学碑は、故郷である白沢村の椎坂峠に昭和41年に建立されたものです。

文学碑が建立されたころは白沢村が一望できたと思うのですが、今は草木が生い茂り眺めは悪くなってしまいました。

旧道入口から歩き始めて40分。
建物が見えてきましたよ。

15番目のカーブのすぐ先に‥

おっ!
メルヘンチックな建物がありますよ。

峠のドライブイン。
オルゴール館椎坂です。

オルゴール館椎坂・花とハーブ館、レストランムーン、ガラス細工の店ボブ・尾瀬地酒ミュージアム・農産物生産者直売所・スキーレンタル・ゴルフの打ちっ放し等の施設を備え、バス50台・乗用車200台収容の駐車場を持つ大型施設でした。

総売場面積300坪を誇ったお土産屋の内部はもぬけの殻です。

トンネル開通の少し前である2012年に運営会社の倒産によって閉店したそうです。

どういう訳か?
テラスは新しいウッドデッキとなっています。

椎坂峠からは沼田の河岸段丘が一望で絶景を堪能できたのですが‥

あちゃー
高い塀が作られてテラスにはいけません。
こりゃ残念!

標高.約793m。
ここが椎坂峠の最高地点です。

今は沼田市に統合されていますが、以前はこの峠が白沢村・利根村の村境となっていました。

椎坂峠の位置は、☝コチラ。

コンビニ(デイリーヤマザキ)の後、農産物生産者直売所となった建物。
入口の窓ガラスが破損していますね。

中はご覧の通り‥
まるで時間が止まったみたい。

こちらには、レンタルスキー屋さんがありました。
尾瀬のスキー場へ向かう時は必ず通る道だったので、好立地だったのでししょうね。

ロシニョールにアトミック‥
スキーをやっていた若き頃、よく耳にした。
懐かしいな。

では、峠を下りましょう。
16番カーブから尾瀬方面へ下っていきます。

今も残る国道120号線の標識。
昔は多くの車が往来した峠道、車が1台も来ません。

すれ違ったのは、自転車1台だけ。
落木で少し荒れた箇所がありました。

28番カーブの地点。
バイパスが見えてきましたよ。

35のカーブがあった椎坂峠。
カーブの標識は28番で終わっています。

椎坂峠から43分。
バイパスとの交差地点に着きました。

椎坂利根トンネルの利根側開口部が見えます。
このトンネルを通れば、くねくねの峠道を通らなくて楽に沼田へ行けます。

旧道はもう少し先も残っていました。
直進してみましょう。

少し歩くとにバイパスと合流。
ここで旧道はおしまいです。
この先は、以前からある国道120号線となります。

左は新たに建設されたバイパス。
右が旧道です。

こうして見ると、道路が改良されているのがわかりますね。

国道から外れて沼田市利根町大原の集落をテクテク‥
かつて利根村と称した群馬県北東に位置するこの地域は、2005年2月13日に白沢村とともに沼田市に編入されました。

=民泊サライ日光屋=
古民家の民泊です。
オーナーさんのお人柄が良いと評判みたい。

再び国道120号線を歩きます。
歩道がないので注意して歩きましょう。

お腹すきましたね。
こちら、あずま茶屋で昼食にしようとしたら、臨時休業でした。
残念!

あずま茶屋の位置は、☝コチラ。

国道120号線を進みます。
お腹すいたなー。

観音寺前バス停から11.3km歩き‥

吹割の滝がある吹割渓谷に着きました。

尾瀬方面へのメインルートだった椎坂峠を歩いてみました。
トンネル開通後も旧道は今も残っており、車の往来はまったくないので、歩きやすいと言えば歩きやすいのですが、峠にあったドライブインはとうの昔に閉店し、峠からの眺めも見られないので観光要素はありません。
旧道マニアしか来ないような道でしたが、沼田側の峠入口から吹割の滝へ11.3km/2時間30分ほどのウォーキングとなりました。

ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。