■0020・ 2015年7月7-9日 上海フェリー-2
皆様、こんにちは。
シクタン.comでございます。
飛行機なら2時間30分ほどで行ける上海→大阪をフェリーで、約45時間(2泊3日)かけて移動します。
船内編から続いております。
▼目次
日中国際航路(上海-大阪)に就航する上海フェリー/蘇州號
上海フェリー「蘇州號:SU ZHOU HAO」です。
上海〜大阪.960マイル(1,546キロ)を約45時間かけて航行します。
1993年に建造された、22年のベテラン船です。
14,410tの大型客船とうたっていますが、これは国際条約に基ずいた総トン数で、日本の規格だと7,500tほどになります。
国内長距離航路の太平洋フェリー(きそ.15,762t)や阪九フェリー(いずみ.15,897t)と比べると小さいフェリーです。
中華人民共和国‥一級文明客船に指定されています。
1日目・上海~東シナ海の航海/食事
10:45
上海フェリー/蘇州號、大阪へ向けて出航15分前です。
出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しようと、甲板に出ました。
出航地点は長江の支流、 黄浦江と言う川です。
フェリーからは、浦東地区のビル群が目の前にご覧頂けます。
10:58
ゴゴゴゴォー
定刻よりわずかに早く離岸しました。
銅鑼も鳴らず、紙テープもない静かな出航です。
タグボートが船体を押して出航のアシストをしております。
船体を180度、回頭中。
ささやかに乾杯!
■アサヒスーパードライ‥免税160円
回頭完了。
中国そして上海よ。
さらばじゃ。
上海〜大阪.航海距離1,546km・2泊3日の航海が始まりました。
11:20
黄浦江にかかる全長7,658mを誇る世界第4位のダブルロープ式斜張橋‥楊浦大橋をくぐります。
ラウンジ(フォワードサロン)からの眺め。
まだ海ではありません。
黄浦江から長江に入った頃でしょうか?
それにしても中国の川って大きいですね。
12:45
昼食です。
日替り中華定食がなんと500円!
船内食堂の部類では安いですね。
食堂では日本円が使えます。
グラスがキンキンに冷えていて、青島ビールが超美味い!
■日替り中華定食‥500円
・麻婆豆腐
・豚肉中華風煮物
・チンゲン菜炒め
・米飯
・タマゴスープ
・スイカ
■青島ビール‥250円
長江を眺めながら優雅な食事。
この後、時化の東シナ海を航海するのですが、この時点ではクルーズ気分。
14:43
長江は中国の大動脈。
たくさんの船が行き交っています。
上海港国際ターミナルのある黄浦江から長江に入り、蘇州號はいよいよ東シナ海へ入ります。
ここまでは、動揺しない快適な船旅だったのですが‥
15:50
ザババーン!
長江を抜けて外洋に出ると、波がたってきて船が動揺し始めました。
これから波高4m、時化の中を航行します。
ここで、船旅の救世主‥G○RO袋が船内各所に配備されました。
これから揺れまくるのは、間違いありません。
覚悟しましょう。
インフォメーションには、酔い止め薬も配備。
蘇州號は大きく動揺しています。
備えあれば憂いなし。
実は私、あまり船に強くないので、薬をグィっと飲んでおくことにします。
薬の効き目なのか‥
爆睡してしまいました。
あいかわらず時化ていて、船は大きく動揺しています。
19:00
幸いなことに船酔いはしておらず、お腹がすいてきました。
レストランに行くと…
みんな船酔いで苦しんでいるのか?
食事時だと言うのに、ご覧の通りガラガラです。
ちょっと定食は重いので、軽く炒麺(焼きそば)を注文。
厨房からジャー.ガシャンガシャンと中華鍋をふるう音が聞こえてきます。
揺れている中で、火を巧みに使うなんて凄いですね。
オイスターソースで味付けされた炒麺は香ばしく、この揺れの中でも食欲をそそります。
頂きま〜す。
■炒麺(焼きそば)‥500円。
20:00
やる事もないし、たまには早く寝ましょう。
明日も丸一日、船上の生活です。
おやすみなさい。
※揺れで、体が上下左右に動いているのが画像ではわからない所が残念です。
2日目・東シナ海~瀬戸内海の航海/食事
5:00
早く寝たせいか、早起きしました。
いや〜よく眠れました。
しかし、動揺は今も続いております。
船内のいたるところに配備されたG○RO袋がゆらゆらと揺れています。
外はどうなっているのでしょうか?
甲板に出てみましょう。
ドーン!ザバババーン!!
あいかわらず時化ています。
何も見えず、今、東シナ海のどの辺りなのかもわかりません。
こんな海況でも、ちゃんと大阪へ向かっている事を信じるしかありません。
船長様に命を託して、無事に着くことを祈るばかりです。
やる事もないし、もうひと眠りするか‥
中国時間6:57・日本時間7:57
いやぁ〜 何時間寝たのでしょうか?
12時間以上は寝ていますね。
地上での生活では、こんなに寝られるなんてありえません。
ところで私の時計は6:57なんですが、船内の時計は8時前です。
時差を忘れていました。
船内の時計は、日本時間でした。
時差を忘れるほど船の旅はゆったりとしています。
日本時間/8:03
ドドドドォー
あいかわらず時化ています。
8時から展望浴場がオープンするのでタオル片手に行ってみたら‥
船体が大きく動揺しているので、閉鎖されていました。
残念!
シャワーで我慢しましょう。
8:25
航海中の朝食は運賃込みとなっているので無料です。
■無料朝食
・チョコロールパン
・あんパン
・ゆでタマゴ
・トマトと胡瓜
・パイナップル一切れ
・お粥
・ジャスミン茶
質素な朝食です。
パイナップル一切れと言うのが、なんとも言えませんね。
日本の領海に入ったのか?
携帯がつながり、今日の天気図を見ることができました。
みごとに梅雨前線が上海から関東にかけてつながっていますね。
この船は梅雨前線の真下を航行しています。
南の海上には台風が三つもありますね。
乗船前に入手した情報では、今日の11時頃から波が穏やかになって来るとの事ですが、どうなるのでしょうか?
大阪から上海に向かうもうひとつの国際フェリー‥日中国際フェリー/新鑑真です。
この船が大阪or神戸を出航するのは、火曜日。
そして、東シナ海を航行するのは今日水曜日なので、そろそろ反航するのではないかと‥
フォワードサロンからずっと前方を眺めているのですが、なかなか姿を現しません。
同じ会社の船なら船員様に聞けばわかるのですが、別会社なのでわからずじまいで結局、反航シーンは見られませんでした。
さて11時頃になると、予報通り海上が穏やかになって来ました。
どうやら時化の峠は越えたようです。
11:45
前方に島を発見!
我が国日本の領土‥長崎県五島列島のようです。
日本の領海に入っていました。
バンザーイ!
12:50
何もしなくても腹は減ります。
昼食にしましょう。
どこで獲れた魚だかわかりませんが、ピリ辛風味の煮つけはなかなかいけます。
これで、500円はお得ですね。
■日替り中華定食‥500円
・魚の中華風煮つけ
・ピーマンの炒めもの
・茹でチンゲン菜
・米飯
・トマトと卵の中華スープ
・スイカ
蘇州號は、航海速力21ノット(約38km/h)ぐらいで航行しています。
携帯は再び圏外になりました。
だから会社からの電話がない。
イヒヒ…
これだから船旅はやめられない。
ゆったりした幸せな時間です。
16:40
我が国.日本領海に浮かぶ島。
何と言う島なんでしょうか?
日本の新型フェリーならモニターに現在地が表示されるのですが、蘇州號にはそんな立派な設備はないのでわからずじまい。
自国の領海だとなんかホッとしますね。
大きく弧を描いて、進路が西から南へ変わります。
どうやら、関門海峡の手前に来ているようです。
蘇州號は中国籍の船舶なので、船尾に中華人民共和国旗が掲揚されました。
17:55
クルーズの豪華ディナーは、500円の日替り中華定食です。←(安っ!)
画像上の白い麺みたいな料理‥「何だろ?」と思っていたら、同乗の日本人男性の方が、これは豆腐を1ミリほどの厚さでシート状に細かく切断し成形した百頁(パイウ)と言う豆腐麺だと教えて頂き、高野豆腐みたいな食感でした。
ちなみに豆腐の発祥地は中国だそうです。
■日替り中華定食‥500円
・豚肉の甘煮
・千切り豆腐
・茹でチンゲン菜
・米飯
・中華スープ
・スイカ
■青島ビール‥免税250円
北九州市小倉沖.付近を航行中です。
おおっ〜!
帰って来ましたよ。
蘇州號は船舶航行の難所、関門海峡へ入ります。
右は九州/福岡県。
左は本州/山口県です。
左舷から山口県下関の街が見えます。
あっ!
あの船は‥
下関-釜山の国際航路に就航する、釜関フェリー/星希ですね。
日本から定期航路で行ける外国は、中国と韓国です。
この記事を配信の令和3年9月現在、コロナ禍で国際定期航路は旅客扱いを休止し、貨物輸送のみとなっています。
一日も早く、海外へ行ける日が戻って来るのを祈るばかりです。
18:38
関門大橋を通過します。
みんな甲板に出て記念撮影をしていました。
関門橋を通過し、関門海峡〜周防灘〜瀬戸内海へ航行します。
大阪まで、あと12時間。
船旅はまだまだ続きます。
周防灘に入りました。
後方に夕暮れの景色を眺めます。
関門海峡を抜けてから、後ろを追いかけて来るフェリーがありました。
よ〜く、目をこらえて見ると、阪九フェリー/つくしではありませんか。
新門司から神戸に向かう便です。
この後、我々の蘇州號を抜いていきました。
※阪九フェリー/つくしは引退し、フィリピン国内航路で活躍しています。
20:00
雲がかかってしまっていたので、夕日は見えませんでしたが、陽が落ちた後の幻想的な風景を眺めることができました。
一番星が見えますね。
この後、わずかな時間でしたが、船上の空に一面の星空を見ることができました。
3日目・瀬戸内海~大阪の航海/食事
5:40
おはようございます。
朝、甲板に出てみました。
瀬戸内海を航行中ですが、霧で何も見えません。
客室に戻って、もう一眠りします。
7:00
二度寝をしたら、その間に明石海峡大橋を通過してしまいました。
こりゃ残念!
7:45
朝食です。
船上の食事もこれが最後です。
よく味わって食べましょう。
■無料朝食
・マントウ
・肉まん
・餡まん
・ザー菜
・ゆでタマゴ
・ハム2切れ
・パイナップル1切れ
・お粥
・中国茶
食事をしていたら‥
後方から、フェリーが来ましたよ。
ズームしてみましょう。
新門司-大阪航路に就航する、名門大洋フェリー/フェリーきょうとⅡですね。
あっと言う間に抜いていきましたよ。
※名門大洋フェリー/フェリーきょうとⅡは、令和3年12月に後継となる新造船就航につき、引退が予定されております。
8:13
上海から44時間30分‥
蘇州號は目的地の大阪港に入港します。
それでは、接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列しましょう。
あっ!
後ろにおひさまのフェリーが航行していますよ。
ズームしてみましょう。
大阪-志布志航路に就航する、フェリーさんふらわあ/さんふらわあきりしま(2代目)ですね。
※2代目さんふらわあきりしまは、3代目さんふらわあきりしま就航により、引退しました。
大阪港国際フェリーターミナルが見えて来ました。
面白い形の建物ですね。
フォーサーがビットにつながれます。
※フォーサー‥係留用ロープ。
※ビット‥係留用鉄杭。
あぁ、楽しい船旅が終わっちゃうよ~
あと少しで接岸完了というところで‥
8:40
船内放送で「船客はCデッキロビーに集合して下さい」と案内があったので行ってみると‥
検疫が始まっていました。
検疫を終え、外を見てみると‥
接岸が完了していました。
パチパチパチ‥
9:10
下船が始まりました。
上海から約45時間‥
長いようでしたが、あっと言う間に終わってしまった感じがしますね。
名残惜しいですが下船します。
▲大阪港国際ターミナルの位置は☝です。
入国審査は外国人と日本人のブースが別れておらず同じブースで行なうので、のんびり行くと待たされます。
税関のチェックは空港より厳しく、バッグの中を全て調べられました。
これで無事に帰国です。
フェリーターミナルから最寄りの大阪メトロ/コスモスクエア駅へは、無料の送迎バスがあるので乗っていきましょう。
楽しい船旅を終えて、帰途につきました。
上海フェリー/蘇州號(上海→大阪) まとめ
上海→大阪をフェリーで、約45時間(2泊3日) !
とてつもなく長い船旅に感じますが、実際に乗ってみると、あっという間だったように感じました。
かつて安い運賃が魅力だった国際フェリーですが、今の時代、LCCの方が安く移動できます。
なので、非日常の世界に浸り、のんびり船旅を楽しみたい方向けの移動手段と言えましょう。
私が乗船した日は海況が悪く動揺し、船酔いに苦しまれる方が多くいらっしゃいました。
心配な方は酔い止めを持って行った方が良いですね。
コロナ禍で、蘇州號の旅客輸送は休止されています。
一日も早くコロナが終息し、海外へ自由に行き来できる日が戻って来ることを祈るばかりです。
▲おまけの1枚。
私が下船した翌日7月9日12:00に大阪を出航した便は、台風の影響で東シナ海は高さ7mの大時化となった為、途中で待避したとみえ、7月12日12:00上海入港予定が大幅に遅れて、7月14日6:28に上海入港となりました。
私が乗った便は、海が荒れたものの、大阪に定刻に着いてラッキーでした。
二日も遅れたら会社クビになっちゃうかもしれません。
ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。