【船旅】博多-比田勝航路に新造船就航《祝》九州郵船/うみてらし 乗船記

■0055・2021年9月27日-10月2日 長崎5泊6日-13

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九州郵船/博多-比田勝(対馬)航路に、新造船が就航しました。
本記事は、新造船/うみてらし(比田勝→博多)の乗船記です。

比田勝-博多.国内航路の乗り場は、国内ターミナル

長崎県対馬北部の比田勝港国際ターミナル。
比多勝-釜山/日韓国際航路のターミナルで、釜山は高速船で1時間と博多より近いんです。

出典・Google Map

比田勝港は、韓国釜山/国際航路と博多/国内航路の発着場所が異なり、国際ターミナルと国内ターミナルは1.4km/徒歩18分ほど離れています。

比田勝国内ターミナルの位置は☝コチラ。

歩いて国内ターミナルへ向かっていると‥
これから乗る、うみてらしが近づいてきました。

国内ターミナルです。

こちらには清涼飲料水の自販機があるだけで、売店はありません。
周辺にお店もないので、買い物は比田勝の街中で済ませてから来ることをオススメします。

国内ターミナルへは、比田勝バスターミナルから対馬市営バス(対馬交通が委託運行)があるのですが、船の時間に良い便がなく‥
16:00出航ギリギリですが、[平日]比田勝.15:30発の唐舟志行が15:33に国内ターミナル前を通ります。

また、ターミナルからのバスは‥
[平日][土日祭日]国内ターミナル.7:34発の比田勝バスターミナル行があります。
博多からの船は比田勝3:25着ですが、7:00まで船内仮眠できます。

比田勝-博多航路 運賃・就航船の歴史

博多-比田勝航路に就航する、九州郵船/うみてらしです。
令和3年7月1日に就航したばかり、ピカピカの新造船なんですよ。

🚢九州郵船:うみてらし.博多行
比田勝.16:00→博多.20:55

・出典:九州郵船株式会社

2021年9月29日現在の九州郵船の旅客運賃です。
博多-比田勝は赤枠となり、2021年11月1日以降変動があります。
詳しくはコチラ➡九州郵船

比田勝→博多の2等乗船券を購入。
クレジットカード使えます。

¥九州郵船(博多→比田勝) 2等.5,230円

比田勝航路は戦前からある歴史ある航路です。
その中で、昭和54年以降の就航船を見てみましょう。

= フェリーあがた /1,259t=
昭和54年.小倉-比田勝航路に就航。
平成10年.小倉から博多-比田勝航路に変更。
両港を5時間20分で結び、平成19年引退しました。

= フェリーげんかい /675t=
昭和58年6月.呼子-印通寺航路に就航。
平成19年3月に同航路が廃止となり、比田勝航路へ転配。
博多-比田勝を5時間50分かけて結びました。

元々、壱岐の短距離航路就航船であったことからフィンスタビライザー(減揺装置)がなく、1,259tのフェリーあがたと比較すると、フェリーげんかいは675tの小さい船だったので、時化の玄海灘を航行すると動揺が激しいゆえ船酔いする船客が続出し「げんかい(限界)の船」と揶揄されたこともありました。

昭和時代建造のフェリーげんかいは比田勝航路で14年、呼子航路時代を通算すると38年も活躍してくれ、令和3年6月30日をもって引退しました。

フェリーげんかいの記事は、☟コチラ
フェリーげんかい乗船記(4トラベル)

九州郵船の新造船・うみてらし

= うみてらし =
フェリーげんかいからバトンを受けて、令和3年7月1日に就航した新造船うみてらしです。

船の大型化とフィンスタビライザー装着により動揺が軽減。
5時間50分の航海時間が4時間55分となり、1時間ほど短縮。
博多.22:30発→比田勝.4:20着が3:25着。
比田勝.15:05発が16:00発→博多.20:55着となりました。

船首の水面下にある球状の突起物は、バルバス・バウ(Bulbous Bow)と言い、造波抵抗によるエネルギーのロスを軽減し、スピードを出すことができます。

バルバス・バウによって航海速力を高めたことによって、燃費を改善する設計とし、エンジン出力をアップ。
これらの結果、航海速力がフェリーげんかいでは13.5ノットだったのが、17ノットに向上し、航海時間が55分短縮されました。

[拡大]

フェリーげんかいより大型化された船体。
パノラマモードでカシャ。

うみてらしのファンネル
キュウシュウの’キ’の字をデザインしたものです。

後部は直角的なデザイン。
後ろからもカシャ。

15:40
では、乗船しましょう。

船内

出典・九州郵船株式会社

船客区画は、4甲板/1F・5甲板/2Fとなります。

=うみてらし=
船種‥フェリー
総トン数‥1,125t
全長‥81.79m
全幅‥13.4m
航海区域‥沿海
所有/運用‥九州郵船(株)
船籍‥日本.福岡
建造所‥白杵造船所
就航‥令和3年7月1日

それでは、恒例の船内視察を始めましょう。

比田勝での乗船の場合‥
タラップから乗船すると、2甲板または3甲板となり‥
右へ進むと階段です。

足の悪いお客様もご安心下さい。
左へ進むと、エレベーターがあります。

=エントランス=
階段・エレベーターであがると‥
4甲板/1Fのエントランスホールとなります。

=案内所=
船内でのご案内を承ります。

船旅の救世主‥
G〇RO袋は案内所及び船室に配備されています。

=車いすスペース=
車いすを固定するベルトを装備。

=情報案内モニター=
うみてらしの現在地を表示し、どこを航行しているのかわかるようになっております。

=給湯器・冷水器=
冷たい水が無料で飲めるのはありがたいですね。
紙コップも用意されております。

カップ麺調理に欠かせない給湯器ですが、船内にカップ麺の自販機はありません。
99度の熱湯なので、赤ちゃんのミルクは、さましてからお使い願います。

=船内自販機=
船内に売店や食堂はなく、大塚製薬(清涼飲料水/機能性食品)の自販機が1台のみとなります。
カップ麺やアルコールの自販機もありません。

ドリンクが110~160円
SOYJOYが120円
カロリーメイトが210円と言ったところですね。

=手荷物置き場=
大きい手荷物はこちらで保管できます。

=洗面室=
大きな鏡があり、明るい造りです。
手をよく洗いましょう。

=トイレ=
個室はウォッシュレット完備。
清潔です。

=多目的トイレ=
ゆとりあるスペースを確保しております。

エントランスホールから船体前部を見てみましょう。
うみてらしの船室は全て2等となっており、先着順自由席となります。

通路を挟んで左側は‥

=2等座席=
これぞ、船旅の基本‥
大部屋雑魚寝の和室です。

本船では、和室を座席と言います。
こちらはバリアフリー座席。
後方にテレビが設置されています。

こちらは、一般座席です。
2等座席は、船体前方左舷側に2区画あります。
こちらの区画は右側にテレビがあります。

角枕と毛布が新調されました。
毛布は1枚50円で貸し出されます。

=ラウンジスペース=
船首に向かって右側は、ソファタイプの椅子が配置されたラウンジスペース。
ゆったりとお寛ぎ頂けます。

ラウンジスペースには、大きな窓から海が眺められる席もあるんですよ。

ラウンジスペースの一角に優先席があります。

これらは重要です。
ちゃんと理解し、避難経路の確認もしておきましょう。

=多目的サロン=
カウンター席にはコンセントとUSBポート各席に設けられ、ソファタイプの椅子で寛ぐこともできます。
ソファの正面にテレビがあります。

=2等椅子席=
船尾より右舷にあります。
3人掛けの椅子が前向きに3列配置され、正面に大型テレビがあります。
なお、リクライニングはしません。

こちらは、窓に向かって配置された椅子席です。
リクライニング機能がない椅子なので、深夜便でも休みやすくするため、あえて傾斜を多くとった構造となっております。

=2等座席=
船体後方にある、こじんまりとした座席(和室)です。
テレビもありました。

=ドライバー室=
7名定員の座席(和室)となっており、シャワー室もあります。

=4甲板/1F屋外デッキ=
海を眺めながら黄昏られます。

=喫煙スペース=
船内は禁煙です。
おタバコは、こちらでお願い申しあげます。

次は、5甲板/2Fを見てみましょう。
階段室には、鰐浦地区に咲く’うみてらし’をイメージしたイラストが描かれております。

ちなみに’うみてらし’とは、対馬に自生する’ヒトツバコ’の別名で、対馬市の市木となっており、対馬北部の鰐浦地区に群生地があります。

5甲板/2Fに上がりました。
画像に’うみてらし’の額がありますが、これは対馬在住の書家/田中香代子氏によるもので、船体にも書かれております。

=5甲板/2Fホール=
エレベーターと階段のホールがあるだけです。
博多では5甲板/2Fが乗船口となるので、こちらがエントランスホールになります。

=5甲板/2F屋外デッキ=
5甲板2F後方は、オーニングで覆われた開放感あるアウトデッキとなります。
ベンチがあるので、爽やかな潮風にあたりながら船旅を満喫しましょう。

=釣り竿置き場=
長尺物を立てかけておけるアイテムです。

以上で、恒例の船内視察を終了します。

比田勝→博多 4時間55分の船旅

さて、出航の時間が近づいてきました。

出航の儀(単に眺めるだけ)に参列します。

ホーサーがビットから外されました。

・ホーサー‥係留用ロープ
・ビット‥係留用鉄杭

16:00
ゴゴゴゴォー
定刻に出航です。

あぁ、島が離れていくよ。

比田勝港を出ます。

対馬比田勝よ。
さらばじゃ。

16:10
尉殿崎沖を通過。
うみてらしは、西泊湾を出て外洋に出ます。

あっ!
あの船は‥

ズームしてみましょう。
博多-釜山の日韓国際航路に就航する、カメリアライン/ニューかめりあですね。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響に伴い、2020年9月1日付、日本政府からの旅客取扱停止要請及び入国制限措置の通知を受け、旅客取扱を停止。
貨物輸送のみで頑張っております。

比田勝→博多 145km/4時間55分の船旅が始まりました。
今日は波1mほどの海況です。

島から離れ、沖合へ向かうと‥

ザッバーン!
ドドドドォー

ドン!
ザババハーン!

波が船首にあたり音が響いています。
フェリーげんかいだと、この程度で動揺しましたが、さすが新造船。
動揺を感じられず、快適な航海です。

うみてらしは玄界灘.沖ノ島西方8km沖を航行します。

17:48
あっ!
沖にぼんやりと小さく見えるあの島は‥

ズームしてみましょう。
神宿る島.宗像 沖ノ島と関連遺産群として、世界遺産に登録されている「沖ノ島」ですよ。

沖ノ島は宗像大社の境内地で沖津宮があるのですが、神聖な場所ゆえ一般人が立ち入ることはできず、アクセスもありません。
博多行うみてらしの航海中に、かろうじて眺めることができました。

続いて、玄海灘に落ちる夕日を鑑賞しましょう。

雲の間から漏れる光が、海面に反射して美しいです。

日が沈みました。
東の空から暗くなっていきます。

すっかり闇に包まれ、夜の航海が始まりました。

19:33
比田勝から3時間33分。
壱岐の東方沖を航行中。

20:33
比田勝から4時間33分。
うみてらしは、福岡湾に入ります。

福岡湾に入ると、煌々と灯りが広がっているのが見えてきました。

海沿いに広がる博多の夜景が綺麗ですね。
右端に福岡paypayドームが見えます。

福岡paypayドームでは、ソフトバンク.ホークスvs西武.ライオンズの試合が行われています。
試合の様子は船内テレビで放送されており、ソ9-西0で、地元ソフトバンクの大勝利でした。

博多湾内では、博多-壱岐-厳原航路に就航する九州郵船/フェリーちくしが停泊しています。
深夜、壱岐/対馬へ向かい、翌朝、対馬/壱岐から折り返し、博多着後沖合で待機。
うみてらし出航後に再接岸し、壱岐/厳原行として0:05に博多を出航します。

20:54
博多港にアプローチ。
接岸地点が見えてきました。

接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列しましょう。

博多-五島航路に就航する野母商船/太古を横目に航行し、船体を180度回頭。
接岸態勢に入りました。

あぁ~
楽しい船旅が終わっちゃうよ~

ホーサーがビットにつながれました。

21:00
接岸完了。
パチパチパチパチ‥

定刻より5分遅れで、博多に到着。

21:01
名残惜しいですが、下船しましょう。

フェリーげんかいからバトンを継いで博多-比田勝航路に就航したうみてらし
快適な船旅が楽しめるようになり、これからの活躍が期待されますね。

ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。