【散策】カルデラの中にある肘折温泉 周辺部を散策してみよう

■0180・2022年1月9-13日 やまがた温泉湯治旅.4泊5日-5

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温泉でぐうたらまったりしようと、山形県の肘折温泉と湯野浜温泉へ4泊5日の湯治旅にでました。

本記事は、肘折温泉の周辺部を散策してみます。

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山形県大蔵村の肘折温泉

約1万2,000年前の噴火活動によって形成された直径約2kmある肘折カルデラの中、肘折火山のマグマ溜りの上に位置しています。

温泉街の周辺部を散策してみましょう。

肘折ダム・銅山川流域

山形県大蔵村の肘折温泉。
温泉街の銅山川上流に架かる永代橋を渡ります。

=肘折ダム=
昭和27年に造られた砂防ダムです。
国の登録有形文化財に指定されているんですよ。

ダムのたもと左側には、源泉公園があります。

永代橋を渡り、銅山川に沿って進みます。

=肘折発電所=
山形県企業局が所有する水力発電所です。
昭和45年に運用開始。
約2km上流にある石抱ダムから取水し、銅山川へ放水しています。

発電所の1.5km先には、ゑびす屋さんが管理する野湯/石抱温泉があります。

詳細は、温泉を管理しているゑびす屋さん公式HPをご覧願います。

この周辺は熊出没地帯なので、注意しましょう。

雪が綺麗に削られた道。

=銅山川=
同じ山形県/銀山温泉には銀山川が流れていますが、こちらは銅山川です。

最上川水系の支流で、川の名は日本三大銅山と呼ばれた’永松銅山’が源流地にあったことから由来しているそうです。

豪雪地帯の肘折温泉。
この季節、滅多にない快晴となりました。

坂道を登ると‥

大蔵村立.肘折小中学校があった場所です。
明治7年に開校し、平成21年に閉校。
肘折の学び舎は、134年の長い歴史に幕を降ろしまし、旧校舎は肘折生涯学習センターとなり、スポーツ交流やブラスバンドの活動が行える、地域活動の拠点として活用されています。

高台にある生涯学習センターの近くからは、肘折温泉が一望です。

あちらに見えるのは、肘折希望大橋です。
ホントはあっちに行くつもりだったのですが、間違えて正反対に来てしまったみたい。

来た道を戻って、肘折温泉に戻りましょう。

=苦水川=
最上川水系銅山川の支流です。

苦水川に沿ってこの約1.5km先には、入浴施設/カルデラ温泉館があります。

=肘折郵便局=
温泉街中心にあった郵便局は、平成7年に温泉街から銅山川を渡った対岸に移転しました。

温泉街と郵便局をつなぐ金山橋。
2022年1月現在.架替工事中。

=そば処 寿屋=
大蔵鉱山がにぎわっていた頃は鉱夫たちの憩いの場として繁盛した小さな和食店がお蕎麦屋さんとなりました。
良質の国産玄そばを自家製粉した、美味しい蕎麦を提供しています。

銅山川に架る天狗鼻橋(歩行者専用)を渡って、温泉街へ戻ります。

肘折温泉を流れる銅山川。
右岸に湯宿が建ち並んでいます。

=優心の宿 観月=
銅山川を望む源泉かけ流しの露天風呂が自慢。
川に面してあるので、眺望も抜群です。

=玉乃屋旅館=
肘折は源泉が高温の為、大半は加水していますが、こちらは熱交換式で湯温を調整しているので正真正銘の源泉100%!
温泉が持つチカラを最大限に享受できるお宿です。

=大平鮮魚店=
人里離れた肘折温泉に一軒だけある鮮魚店です。
山の中の肘折ですが、車だと2時間ほどで60kmほど離れた日本海/酒田港へ行くことができます。

=湯宿 元河原湯=
日本秘湯の会.会員のお宿。
炭酸成分を多く含む河原湯源泉のお湯と囲炉裏会席をお楽しみ頂けます。

小松淵

温泉街をゆったりと流れている銅山川は、大きくカーブして‥

ここで、キュッと狭くなります。

=小松淵=
この一帯は小松淵と呼ばれ、今から約1万年前の噴火で生まれた溶岩ドーム(溶岩円頂丘)です。
隆起し冷え固まった溶岩を銅山川の流れが削り、永い時を経て淀み淵となりました。

四方を山に囲まれたカルデラの切り立った黒い岩間に、満々とした翡翠色の水がゆったりと吸い込まれていきます。
その姿から小松淵では、ミステリアスな大蛇伝説を今に伝えています。

水面をゆくカモ達。
なんか、心が癒されますな。

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小松淵をパノラマモードでカシャ。

肘折希望大橋

肘折希望大橋が近づいてきました。

肘折温泉と国道458線をつなぐ山形県道57号戸沢大蔵線。
肘折希望大橋のある位置は昔‥

つづら折りの道でした。

平成24年4月10日、大きなヘアピンカーブで地すべりが発生しました。
当初は片側交互通行できたものの、更なる崩落の可能性があるとして、全面通行止めとした後、5月13日には地すべり箇所で予想されていた大きな崩落が発生。
県道は寸断されてしまいます。

大蔵村中心部への迂回路はあったものの、道幅が狭くバスなどの大型車が通行できず、温泉街にとっては大打撃となり、地元の強い要望で新たな橋を架けることが決定しました。

う回路は冬季閉鎖となるので、新橋は降雪前の完成が求められました。
そのため橋は平成24年8月に建設が始まり、24時間体制で突貫工事が進められ、わずか4ヶ月後の同年12月31日に仮設路の開通にこぎつけます。

そして、迂回路の冬期通行止が解除された翌年の平成25年5月7日に仮設路を一旦通行止にして本設工事を開始。
同年11月30日に本開通となりました。

119本の鋼管杭を地中に打ち込み、鋼管杭に直接桁を架設し、コンクリート製の床板を設置して道路を構築しています。

橋の欄干は朱色になっています。
これは吹雪や濃霧でも視認性が高いことや、出羽三山に通じる祈りの道でもあるため、魔除けの色として採用しているそうです。

歩道はないので、注意して歩きましょう。

橋を登り、展望スポットと呼ばれる辺りに着きました。

おぉー
こりゃ、絶景ですよ。

上から眺めた肘折希望大橋。
鋼製ラーメン構造桟道橋としては日本最長の全長240mあります。
ループ状の2階建てのような形をしており、S字カーブを描きながら温泉街へと下っていきます。

こうして見ると、圧巻な橋ですね。

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肘折希望大橋をパノラマモードでカシャ。

右下の建物は、肘折いでゆ館。
左上の盛り上がった山は‥

ズームしてましょう。
地図を見ると、位置的に志賀山(720.9m)かな?

温泉街の全景も一望。
中央奥の山々は月山です。

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肘折温泉は、約1万2,000年前の噴火活動によって形成された直径約2kmある肘折カルデラの中、肘折火山のマグマ溜りの上に位置しています。

肘折希望大橋からカルデラ内の温泉街をパノラマモードでカシャ。

肘折いでゆ館・温泉街

=肘折いでゆ館=
日帰り温泉・食事処があり、休憩もできます。

=河原湯=
肘折温泉には、3軒の共同浴場があります。
河原湯は、地元民専用で観光客の利用はできません。

=疝気湯=
こちら疝気湯も、地元民専用です。

温泉街に戻って来ました。

=旧肘折郵便局=
温泉街の真ん中にあるハイカラな建物は、昭和12年建築の旧郵便局舎です。

平成7年.郵便局の新築移転に伴い、一時は解体が検討されたそうですが、地元の方々の要望により保存が決まりました。
現在は、各種イベントの会場として活用されています。

=上ノ湯=
3軒ある共用浴場のうち、観光客も利用できる上ノ湯は温泉街の中心にあります。

入浴料は、大人300円・小人150円。
肘折温泉宿泊施設利用者は無料です。

逗留している西本屋旅館に戻りました。

=まとめ=
約1万2,000年前の噴火活動によって形成された直径約2kmあるカルデラの中にある肘折温泉。
肘折火山のマグマ溜りの上にあるから湯量豊富な温泉地なわけですね。

Sの字を描いた肘折希望大橋を上がると、肘折のカルデラと集落が一望!
肘折温泉を流れる銅山川がキュっと狭くなって、カルデラを越す小松淵もみどころのひとつです。
また、いでゆ館・カルデラ温泉館・上ノ湯と、日帰りで入浴できる施設が充実していますよ。

ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。