■0241・2022年10月31日-11月2日.伊豆諸島クルーズ&下田温泉1泊2日-01

ご訪問下さいまして、誠にありがとうございます。
乗り物系・温泉・登山などの旅と食事系のブログ、シクタン.comと申します。
伊豆諸島/青ヶ島や小笠原諸島/母島の定期航路や貨物輸送を担う伊豆諸島開発。
就航船のドック入渠時に代船運航する予備船/ゆり丸が引退し、後継として新造船/くろしお丸が就航したので、乗りにいきました。
本記事は、貨客船に乗っているだけ伊豆諸島7時間のクルーズ航海編です。
※記事中[拡大]または◎を記している画像は、クリック・ドラッグすると拡大します。

伊豆諸島/青ヶ島や小笠原諸島/母島の定期航路や貨物輸送を担う伊豆諸島開発。
就航船のドック入渠時に代船運航する予備船/ゆり丸が引退し、新造船/くろしお丸が就航。
普段、くろしお丸はザ.秘島と言われる青ヶ島航路に就航しており、なかなか乗ることができないのですが、年に一回、下田-伊豆諸島航路を運航する神新汽船/フェリーあぜりあがドック入渠時にくろしお丸が代船として運航される情報を入手した筆者。
てな訳で、くろしお丸に乗りに静岡県下田に向かいましょう。

東京・横浜から東海道線普通列車で熱海へ。
🚋普通721M.熱海行
横浜.4:55→熱海.6:15
[乗]JR東日本:クハE233-1017

熱海で伊東線に乗り換え。
伊豆急下田行、伊豆急行線直通電車に乗りましょう。
この電車は、東急から伊豆急行に移籍した昭和51年製の電車です。
東急時代の姿で今も頑張っています。
🚋普通5625M.伊豆急下田行
熱海.6:30→伊豆急下田.8:00
[乗]伊豆急:8152
▼目次
神新汽船 (下田-伊豆諸島航路)

熱海から1時間30分。
伊豆急下田に着きました。

今日乗る船及び船のりばには、食堂・売店がありません。
イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店で、食料を仕入れていきましょう。
イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店の位置は、☝コチラ。
伊豆急下田駅から850m/徒歩11分ほどです。

=あぜりあ丸のスクリュープロペラ=
下田~伊豆諸島(利島/新島/式根島/神津島)を結ぶ神新汽船に昭和63年~平成26年の26年間就航していた先代/あぜりあ丸(480t)は、後継船となるフェリーあぜりあ(495t)の就航に伴い引退となった為、予備スクリュープロペラが神新汽船から下田市に寄贈されました。
下田市と伊豆諸島の経済交流を記念して、ここにモニュメントとして設置されたものです。

=神新汽船のりば=
下田-伊豆諸島航路を運航する、神新汽船.下田営業所に着きました。
神新汽船.下田営業所の位置は、☝コチラ。
伊豆急下田駅から、1.7km/徒歩23分ほどです。

=下田-伊豆諸島航路=
この航路が開設されたのは明治31年3月。
もとは東海汽船が運航していましたが、第三セクターの形で昭和52年10月4日に設立された海運会社、神新汽船が同航路を引き継ぎ運航されております。
神新汽船/フェリーあぜりあ

こちらの船が、下田航路に通常就航している神新汽船/フェリーあぜりあです。
= フェリーあぜりあ =
船種‥フェリー
船籍‥日本/東京
航海区域‥限定沿海
所有/運用‥神新汽船・鉄道建設 運輸施設設備支援機構
総トン数‥495t
全長‥63.0m
全幅‥12.6m
建造所‥内海造船瀬戸田工場 (第769番船)
就航‥平成26年12月19日
フェリーあぜりあ ワンデークルージングの記事は、☝コチラ。
ご覧頂けたら幸いです。
伊豆諸島開発/ゆり丸

次に、コチラの船は、伊豆諸島開発/ゆり丸。
母島航路・青ヶ島航路を運航する伊豆諸島開発㈱が予備船の重要性を知っていた事から、新造時から予備船として建造された稀な船です。
通常は各島貨物船として運航され、母島航路/ははじま丸・青ヶ島/あおがしま丸・下田航路/フェリーあぜりあのドック入渠時に代船として活躍しました。
一度だけ鹿児島県のトカラ航路へフェリーとしま(先代)の代船で運航したことがあるそうです。
その運用が神出鬼没な事から「幻の貨客船」と呼ばれていましたが、実態はダイヤで運航していたそうで、船員様達は不思議に思っていたとか。
老朽化に伴い2022年10月をもって引退。
引退後はベリーズ船籍のONGO NIUAと改名され、トンガ王国で活躍するようです。
= ゆり丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
航海区域‥近海
所有/運用‥伊豆諸島開発㈱
総トン数‥469t
全長‥62.0m
全幅‥10.8m
建造所‥関門造船
竣工‥平成10年2月25日
伊豆諸島開発/ゆり丸 乗船記(4トラベル)
伊豆諸島航路緊急船舶取材・伊豆諸島開発「ゆり丸」乗船記 (ワンデークルーズ)
伊豆諸島開発/くろしお丸 (新造船)

ゆり丸の後継船として就航した、伊豆諸島開発/くろしお丸。
新造船/くろしお丸は、ははじま丸の操船性能と旅客対応性能・あおがしま丸の貨物輸送性能を備え、近海海域に対応して通常は青ヶ島航路を担う誠実剛健な船を目指して建造。
ははじま丸・フェリーあぜりあがドック入渠すると両航路へ赴き代船として運航されます。
= くろしお丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
航海区域‥近海
所有/運用‥伊豆諸島開発㈱
総トン数‥469t
全長‥66.0m
全幅‥12.0m
建造所‥渡辺造船所
竣工‥令和4年1月5日

さて、通常は青ヶ島航路に就航するくろしお丸ですが、神新汽船/フェリーあぜりあがドック入渠するので、代船として下田に来ることを知った筆者。
青ヶ島・母島は東京都とは言え、そう簡単に行ける場所ではありません。
この期を逃すると、次はいつになるのかわからないので、乗りに行きましたよ。
フェリーあぜりあ ワンデークルージング

さてこの航路‥
本来は下田から伊豆諸島へ人と物資を運ぶ離島航路なんですが、伊豆諸島の島巡りができる、ワンデークルージングの設定があります。
月・木・土曜日は、下田→神津島→式根島→新島→利島→下田。
火・金・日曜日は、下田→利島→新島→式根島→神津島→下田。
水曜日は休航です。

¥ワンデークルージング運賃
・2等‥上記基本運賃。
・特2等‥2等運賃の約1.5倍額。
・1等‥2等運賃の約2倍額。
※特2等及び1等は、フェリーあぜりあ運航時のみ。
※運賃は、燃油代によって変動があります。
これまで現金払いのみでしたが、クレジットカードが使えるようになりました。

乗船手続完了。
運賃は、2等/6,580円でした。

乗船記念として、伊豆諸島開発/くろしお丸のフォトカードを頂きました。
ありがとうございます。

本日の就航状況は‥
おっ!
全島通常運航ですね。
風向きや海況によっては欠航となったり、入港地変更・抜港もあるのでラッキーです。
くろしお丸に乗船

てな訳で、乗船するクルーズ船は、神新汽船/フェリーあぜりあの代船‥
伊豆諸島開発の新造船/くろしお丸です。
神新汽船の航路ですが、伊豆諸島開発の乗組員によって運航されます。
🚢伊豆諸島開発:くろしお丸.神津島先航下田行
下田.9:30→神津島→下田.16:30

では、乗船しましょう。

船室は2等モノクラスで、絨毯席と椅子席があります。
船旅の基本となる、大部屋雑魚寝の絨毯席の方へ入りましょう。

お席は先着順自由席。←(俗にいう早い者勝ち)
隅の方を陣取りましたが、下田からの船客は5名ほどとガラガラでした。

船のクリエーター.PUNIP cruises/中村辰美氏作画のくろしお丸。
船の作画と言ったら、故.柳原良平先生が有名でしたが、先生亡きあと、PUNIP cruises/中村辰美氏の船舶イラストをよく見るようになりました。
同氏はなんでも、柳原先生の著書を読みまくって勉強されたんだとか。

ちなみに、伊豆諸島開発公式サイトの船舶紹介に紹介された’ゆり丸’のイラストも、.PUNIP cruises/中村辰美氏がお描きになられたものでした。
下田→神津島

そろそろ出航時刻です。
出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しようと、甲板に出ると‥
タラップ取り外し作業が行われています。

続いて、ホーサーがビットから外されました。
ホーサー‥係留用ロープ
ビット‥係留用鉄杭

ゴゴゴゴォー
出航!

前進で離岸成功。
パチパチパチ‥

ボオォー
出航の汽笛が港に響きます。
岸壁では、事務所の方々が見送りをしてくれています。
さよならぁ~

下田→神津島→式根島→新島→利島→下田、133km/約7時間のクルーズ(単に乗っているだけ)が始まりました。
下田よ。
さらばじゃ。←(夕方戻って来るけど‥)

下田→神津島は、55km/2時間20分です。
伊豆半島南部を右舷に眺めながら、外洋に出ました。

本日の海況は、東からの波高1.7m。
横からの波を受けての航行となります。
こりゃ、揺れるかも‥

ドドォーン!
ブァッシャーン!
波を砕いて前進する、くろしお丸ですが‥
くろしお丸は減揺装置として、フィンスタビライザー・ビルジキールを装備しているので、あまり動揺が感じられません。
さすが、新造船!
ゆり丸は、この程度で揺れたのですよ。

お腹すきましたね。
朝食にしましょう。
■みそ唐辛子おにぎり‥73円
■鶏そぼろおにぎり‥73円
■イオン麦茶‥51円

ひと眠りして、目が覚めたら‥
神津島が目の前に近づいていました。

今日は島の西側、メインとなる前浜港にアプローチ。
海況によっては、島の東側、多幸湾三浦漁港に入港する場合があります。

神津島/前浜港に着岸。
パチパチパチ‥
神津島→式根島

神津島を出航。
次は式根島へ向かいます。
神津島→式根島は17km/50分です。

おっ!
神津島の島影から、三宅島と御蔵島が見えてきましたよ。

下田のイオン(マックスバリュ)のお弁当で、クルーズランチにするザマス。
■やみつき!ごぼうおかかご飯弁当‥429円
・ごぼうおかかごはん
・野菜炊き合せ
・鯖塩焼
・鶏照焼
・肉団子
・こんにゃく金平
・キャロットラペ
・小松菜ごま和え
・オクラお浸し
・人参煮
■ポテトコロッケ‥29円
■わんこうどん‥10%引124円
■GF缶チューハイ‥93円

青い海と空。
そして、神津島に向かってカンパーイ!

ドドドドォー
ザババーン!
くろしお丸は、航海速力14.8ノット(27.4km/h)で航行中。
少し時化ていますが、動揺が感じられず快適なクルーズです。

式根島沖を航行中。
遠くから見ると平べったく見える式根島ですが、大半が断崖絶壁の島なんですよ。

式根島/野伏港に着岸。
パチパチパチ‥
式根島→新島

ゴゴゴゴォー
式根島よ。
さいなら。

次は新島です。
式根島の目の前で、新島と式根島は新島村に属しています。

左舷には地内島(無人島)が見えます。
後ろの三角の島は利島です。

式根島→新島は、8km/20分。
両島を結ぶ、新島村営連絡船も運航されています。

新島.黒根港(前浜港)にアプローチ。
式根島と神津島が一望です。

新島/黒根港(前浜港)に着岸。
パチパチパチ‥
新島→利島

ゴゴゴゴォー
新島よ。
さらばじゃ。

新島・式根島・神津島と寄港して来た島を眺めます。
これぞ、TOKYOアイランドクルーズに相応しい景色だ。

次は利島ですよ。
新島→利島は16km/1時間の航海です。

三角形の尖った島は、鵜渡根島。
今は無人島ですが、明治時代頃は有人島だったそうです。

利島‥
まるで要塞みたいだ。

最終寄港地、利島/利島港にアプローチ。
利島は外洋に面した港がひとつしかないので就航率が低いのですが、今日は大丈夫そう。

利島/利島港に着岸。
パチパチパチ‥
停泊時間は5分。
速攻で旅客と貨物扱いを行って‥

ゴゴゴゴォー
利島よ。
さらばじゃ。
利島→下田

あとは下田に戻るだけです。
くろしお丸は、航海速力12.5ノット(23.2km/h)で航行中。

ひと眠りして目が覚めると‥
伊豆半島が近づいていました。

下田の街が見えて来ました。
おぉー
帰って来たよ。

夕日を見たいのですが‥
重要な儀式があるので、見れるのはここまで。

下田港に入港します。
それでは本航海最終となる、接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列しましょう。

着岸地点が近づいて来ましたよ。

あっ!
船首部のホーサーが、もうビットにつながれていますね。
船体を90度回頭させ、最終の着岸体制に入り‥

船体後方のホーサーもビットにつながれました。

あぁ~
楽しいクルーズが終わってしまうよ~

着岸完了。
パチパチパチ‥

名残惜しいですが、下船しましょう。

これからの、くろしお丸の活躍に期待が高まりますね。
単に船に乗っているだけでしたが、楽しいクルーズでした。
下田海浜ホテル(伊東園ホテルズ)に宿泊
クルーズを終えて、この日は下田温泉に宿泊しました。
下田温泉/下田海浜ホテル(伊東園ホテルズ)の宿泊記は、☝コチラ。
翌日・くろしお丸/出航の儀 (単に眺めるだけ)

さて、翌日。
神新汽船/下田のりばでは港湾事情により、船舶を前から撮影することができません。
てな訳で、のりばの対岸にあたる稲生沢川河口にやってきました。
あっ!
くろしお丸が見えますね。

伊豆諸島開発/くろしお丸。
ズームして、前からカシャ。
昨日、伊豆諸島クルーズを楽しみました。
そろそろ、出航時刻です。

ゴゴゴゴォー
定刻9:30に離岸。

ボォー!
長声一発。
出航の汽笛が港に響きます。

くろしお丸は、長崎県の渡辺造船所で令和4年1月5日に竣工されました。
TOKYOアイランドブルーの二本線を纏わせ”繋ぐ”をテーマとしたデザインは、東海汽船/さるびあ丸(3代目)とセブンアイランド結を担当した野老朝雄氏によるものです。

伊豆諸島へヒトと物資を運ぶくろしお丸。
今日は下田→利島→新島→式根島→神津島→下田と、昨日の逆ルートです。
ご安航をお祈り申しあげます。

ゆり丸からバトンを受け継いだくろしお丸。
これから伊豆諸島・小笠原諸島のライフラインとしての活躍が期待されますね。
くろしお丸の船内
くろしお丸の船内レポは、☝コチラ。
ご覧頂けたら幸いです。
予備船として活躍したゆり丸の後継船、くろしお丸。 500トンクラスの貨客船であることはゆり丸と同じですが、新造船/くろしお丸は動揺が抑えられ、快適になっていました。 ゆり丸になかった清涼飲料水自販機や冷水機が備え付けられたものの、給湯器がないので、カップ麺は食べられないのが不満と言ったところでしょうか。 伊豆諸島・小笠原で活躍したスパーサブ、ゆり丸を引き継いだくろしお丸。 これから青ヶ島をメインとして伊豆諸島・小笠原諸島へ人や物資を運ぶ島にとって欠かせない船になることは間違いないでしょう。
ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。




