【船旅】伊豆諸島をのんびり島巡り 神新汽船/フェリーあぜりあ ワンデークルージング(前編)

■0110・2021年11月30日-12月1日 フェリーあぜりあ.1泊2日-1

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伊豆諸島へのアクセスは、東京竹芝から出航する東海汽船がメジャーですが、その補佐的な役割をする神新汽船が下田から運航しています。

この記事では、伊豆半島下田から伊豆諸島を結ぶローカル航路、神新汽船が企画するワンデークルージングを体験レポートします。

※記事中[拡大]または◎を記している画像は、クリック・ドラッグすると拡大します。

神新汽船・下田のりば

下田-伊豆諸島航路に就航する、神新汽船/フェリーあぜりあ。

この航路が開設されたのは明治31年3月。
神新汽船は、東海汽船下田航路を引き継ぐ形で、昭和53年に第三セクターの形で設立された海運会社です。

神新汽船が発着する下田へのアクセスは、熱海から直通の伊豆急行電車に乗ります。

熱海から1時間29分。
伊豆急下田に着きました。

神新汽船の船には、食堂・売店がありません。
イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店で、食材を仕入れていきましょう。

イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店の位置は、☝コチラ。

=神新汽船のりば=
下田-伊豆諸島航路を運航する、神新汽船.下田営業所です。

神新汽船下田のりばの位置は、👆️コチラ。

さてこの航路‥
本来は下田から伊豆諸島へ人と物資を運ぶ貨客フェリーなんですが、伊豆諸島の島巡りができる、ワンデークルージングの設定があります。

¥ワンデークルージング運賃(令和3年11月)
・2等‥大人5,840円・小人2,930円
・特2等‥2等運賃の約1.5倍額
・1等‥2等運賃の約2倍額
※運賃は、燃油代によって変動があります。

今回はこのワンデークルージングを利用し、7時間の船旅を楽しみます。

乗船名簿を記入して乗船手続きをしましょう。なお、窓口ではクレジットカードが使えず、現金払いのみとなります。

¥神新汽船ワンデークルージング1等‥11,720円

乗船記念として‥
神新汽船/フェリーあぜりあ(下)と、伊豆諸島開発/ゆり丸(上)のカードを頂きました。
ありがとうございます。

ちなみにゆり丸フェリーあぜりあのドック入渠時、代船として就航した貨客船です。

神新汽船/フェリーあぜりあ

さて、今回のクルーズ船は‥
下田-利島-新島-式根島-神津島航路に就航する、神新汽船/フェリーあぜりあ。
通常は、伊豆諸島への人と物資を運ぶ貨客フェリーなのです。

🚢神新汽船:フェリーあぜりあワンデークルージング
下田.9:30~伊豆諸島~下田.16:30

前からカシャ。
下田港では、前から船の全容が撮影できません。

てな訳で、以前に撮影した画像でお許し願います。

= フェリーあぜりあ =
船種‥フェリー
船籍‥日本/東京
航海区域‥限定沿海
所有/運用‥神新汽船・鉄道建設 運輸施設設備支援機構
総トン数‥495t
全長‥63.0m
全幅‥12.6m
建造所‥内海造船瀬戸田工場 (第769番船)
就航‥平成26年12月19日

=あぜりあ丸=
昭和63年から平成26年までの26年間、下田-伊豆諸島航路で活躍した神新汽船/あぜりあ丸(480t)です。

フェリーあぜりあの就航により、あぜりあ丸は引退となり、予備のプロペラスクリューがモニュメントとして下田市に寄贈されました。

では、乗船しましょう。

フェリーあぜりあ船内

[拡大] 出典・神新汽船株式会社

=船内案内図=
フェリーあぜりあの船客区画は、2F/上甲板と3F/航海船橋甲板の2層です。

恒例の船内視察を始めます。

乗船すると、2F/上部甲板です。
では、船内に入りましょう。

エントランス

船内に入ると、明るい雰囲気のエントランス空間が一直線に伸びています。

=救命胴衣着用方法・救命 消防設備配置および非常脱出経路図=
これは重要です。
船内視察を兼ねて、避難経路も確認しておきましょう。

トイレ・洗面所

=洗面所/トイレ=個室はウォッシュレット完備。
洗面所/トイレ共に清潔で綺麗です。

=バリアフリートイレ=
フェリーあぜりあは、バリアフリー新法に基づいて作成された鉄道・運輸機構の旅客船バリアフリーガイドラインに準拠したバリアフリー高度化船であります。

多目的室

=バリアフリー席(多目的室)=
体の不自由なお客様優先のスペースですが、該当するお客様がいない時はフリースペースとなります。

フェリーあぜりあの現在地を知ることができる船舶位置表示モニターと、記念撮影用制服がありました。

案内所・自販機コーナー・喫煙デッキ

=案内所=
伊豆諸島ファンや船好きの間で、有名な事務長様が船旅のお世話をして下さいます。

今日は、名物事務長様が引退するという情報を聞きつけ、乗りに来ました。

=自販機コーナー=
カップ麺・ビール・ジュースなどがあります。
フェリーあぜりあには売店や食堂はなく、食料はカップ麺だけなので、食料は買ってから乗船しましょう。

=エレベーター=
車両甲板に行けます。
航海中は利用できません。

=冷水器=
冷たい水がタダで飲めるのは、うれしいですね。
熱湯はカップ麺自販機から頂けます。

=喫煙スペース=
船室内は禁煙です。
タバコはこちら、右舷デッキでお願いします。

2等室

=2等船室=
絨毯敷きのスペースが4区画あります。

これぞ、船旅の基本。
大部屋雑魚寝の船室です。

自由席ですがコロナ感染対策として、枕の位置は変えないように案内がありました。

特2等室

上級船室は、3F/航海船橋甲板にあります。
では、上がってみましょう。

特2等室を示すプレートは、先代のあぜりあ丸に掲げられていた物をフェリーあぜりあで再利用しています。

=特2等室=
相部屋ですが指定席となり、マットレス.毛布.枕が備えられており、2等より快適な船旅ができます。

特2等船室は大きい区画と小さな区画の2区画あります。

1等室

ジャ.ジャーン!
今日は、1等室が我が城なんです。
家中のお金をかき集めて、大奮発したのだ。

木柱が並ぶアプローチを進むと‥

=1等室=
フェリーあぜりあに1室しかない最上級船室。リビングセットを備えたツインルームです。
グループ会社となる東海汽船就航船の特等並みの設備を備えています。
神新汽船、太っ腹ですな。

おしゃれな内装のツインベッド。
昼行便ながらも、厚手の寝具が用意されています。

1等室は基本的に個室で、ルームキーがあります。

さて、神新汽船1等名物と言ったらコレ‥
‘花毛布’です。

花毛布とは、100年以上前に海外航路の日本船で始まったもので、毛布を折り紙のように折ったものです。

カエルさんとカメさん。
1等船室の毛布は、事務長様がおもてなしの意味をこめて折っています。

液晶テレビと冷蔵庫を配備。Wi-Fiはありませんでした。

ゆったり寛げるリビングスペース
東海汽船/橘丸・さるびあ丸特等船室の同じタイプの椅子が置かれています。

エアコンは、個別タイプです。

1等船室には、ウォッシュレットトイレ・洗面台・シャワーブースもあり、500tクラスの小さな貨客フェリーながらも、ホテル並みの設備を誇っており、ワンランク上の船旅が楽しめます。

また、1等船客専用のプライベートデッキもあります。
これは、大型クルーズ船に引けをとらないですね。

厳しい海況でも航行するフェリーあぜりあ

ブァッシャーン!
ドドド.ドーン!

時化の中を奮闘するフェリーあぜりあの写真が掲示されていました。

船旅の救世主‥G〇RO袋とアルミ洗面器が、緊急時に備えて配備されています。
また、トイレにはG〇RO処が設置されています。

ベンチ席

船体後方には、オープンなベンチ席があります。

遊歩甲板

ベンチ席脇の階段を上がると、3F/航海船橋甲板に遊歩甲板があります。

=遊歩甲板=
開放的な空間から、伊豆諸島の景観を眺めることができます。

左舷柵の奥は、1等船客専用のプライベートデッキです。

=ファンネル=
グリーンとホワイトのツートンカラーは神新汽船の社旗デザインです。

静岡県から、利島・新島・式根島・神津島を周回する神新汽船/フェリーあぜりあ。
伊豆諸島への物資を運ぶ生活航路なのです。
ただ乗っているだけなんですが、のんびりと島巡りができるワンデークルージングの設定があります。

予約は必要なく、2等室の利用となります。
空席があれば、特2等・1等室の利用も可能となります。

船内に飲食設備はなく、カップ麺の自販機があるだけとなり、途中の港で買い物はできないのでご注意願います。
なお、下田にはイオンマックスバリュがあり、お弁当やお惣菜などが購入可能です。
船内で酔い止めの販売はありません。

フェリーあぜりあは、500tクラスの小ぶりなフェリーですが、船室は3クラスあり、自販機コーナーなど旅客設備は充実しています。
その中でも1室しかない1等室は、ツインベッドにシャワーとトイレを設け、東海汽船の特等並みの船室で、とても快適なクルーズとなりました。

ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。